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アトピーの授業

とある府立高校で、福祉コースを選択した生徒さんに「病気と共に暮らすということ」について授業をさせて頂いたことは、昨日書いたとおりです。

今日は、アトピー組10人の生徒さんとどんな時間を共有したのかについて書こうと思います。

我がアトピー組は家庭科室での学習となりました。

この教室は床がカーペットで、そこにお日様が差し込み、とても気持ちよさそうだったので、椅子と机を出すのをやめて、カーペットに座り込んでの学習会にしました。

用意した資料は、下記の4点で、私も入っているアトピー・メイクフレンズの会のメンバーの意見も取り入れて作りました。

  • アトピーとはどういう症状が出るのか、原因として考えられることは何なのか、治療法はどんなものがあるのか、、、を書いたもの
  • アトピーで辛いこと、困ることを具体的に列挙したもの
  • 頭に来る体験、悲しい思いをした体験を書いたもの
  • アトピーってそんなに悪くないかも・・・という事を書いたもの

私が喋るばかりでは居眠りする子が出てくること間違いなしなので、どんどん質問を投げかける形で授業を進めました。

資料を見る前に、「アトピーの人が、学校生活で困ることってどんなことだと思う?」と順番に一人ずつ挙げてもらいました。

さすがに10人目の生徒さんは「うーん、もう思いつきません。」となりましたが、みんなちゃんと考えてくれ、水泳や体育の時間が辛いのでは?とか、クラブ活動が思いっきりできないのでは?とか、彼等の意見はどれもアトピーに当てはまるものでした。

その後はおおむね資料に沿って、自分や友達の体験を話しました。

8月中旬に岩手県で起きた「ミイラ人間来店」事件も取り上げました。

これは男子大学生がバイト先で、お客としてやってきたアトピー患者(包帯で顔や腕を覆っていた)を隠し撮りし、インターネット上で「ミイラ人間来店」「臭い、臭い」などと、中傷する記事を何度も流したという、腹立たしい出来事です。

また、友達がアトピーのひどい症状を隠したり、痛みを和らげるために、帽子、マスク、首にはガーゼ、そして手袋という出で立ちで店内を見てまわっていたら、万引き犯と誤解された話や、タクシーの運転手さんから怪しまれ途中で「もう、降りてくれ!」と言われた話もしました。

そして、最後に、アトピーも悪いことや辛いことばかりじゃないのよ、という話をしました。

「私達がそんなふうにアトピーを肯定的に考えられるようになったのは、そう思わせてくれる人が身近にいたからです。

どんなにアトピーがひどくなっても、いつもと変わらず、普通に接してくれた家族や友達、それとなく気遣ってくれた職場の人達・・・そういう人達に支えられて今の私達が在るのです。

私達患者も「分かってくれない」とすねてばかりいてはいけないし、分かってもらう努力もしなきゃいけないし、しんどいときは「ちょっと手伝って」と言うことも大事だと思います。少し手伝ってもらえたり、分かってもらえるだけで、乗り切れること、けっこうあるんですよ。」

・・・というような事です。

生徒さんの感想をいくつか紹介します

  • アトピーで眠れないことがあるなんて、知らなかった。
  • 身近にアトピーの人がいないから良く分からなかったけど、今日の話で少し分かった気がする。実際に体験した人の話を聞けて良かった。
  • 日常生活の中で大変な事がいっぱいあるということが分かった。手の指が切れているのがとても痛そうだった。
  • アトピーは痒いという印象しかなかったが、アトピーが原因で仕事が続けられなくなったり、スポーツができないこともあると分かった。
  • 病気は悪いことばかりじゃないと思った。
  • この先、アトピーの人と出会ったら、普段通りに接しようと思う。
  • ボクもバイトで手が切れて痒くなるので、気持ちがよく分かる。

何かひとつでも心に響いてくれてたらいいなぁ~。

この先、アトピーの人と出会ったとき、今日のことを思い出してくれたら嬉しいなぁ~。

若い人達とこういう時間を持つことができ、とても嬉しく思った一日でした♪

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アトピー」カテゴリの記事

コメント

お疲れ様!
有意義な授業だったようで。私も見学したかったなぁ。

万引き犯扱いされてわかったのは、
見た目がちょっと違うだけでこんな思いをしてる人が、
世の中には沢山いるんだということ。
私は今まで障害を持っている人たちを
かわいそうだと思ったことはなかったけど
何もしていないのに、見た目だけで人から
不当な扱いを受けることはやっぱりかわいそうです。

アトピーだけでなく、白内障で見えなくて
大きいサングラスをしてよろよろ歩いてた時も
目が不自由な人への差別用語を投げかけられました。
自分が体験してみると理屈ではなくよくわかるよ。
「違う」ということを受け入れられないのは
人として悲しいことだよね。
そういう意味では、私はいい体験をしたかな。

投稿: mayu | 2006年12月 6日 (水) 09時16分

mayuさんへ

もっと時間が欲しかったなぁ、と言うのが正直な感想です。

簡単にひどい言葉を投げかけたり、人のことを笑える人達って、はっきり言って想像力、なさすぎ!心、浅すぎ!
そういう人達って、成長の過程で、何かでっかい落とし物をしたんだね。
それっていったい何なんだろう???

先生の話では、授業は多分来年もあるらしいから、その時はぜひ!

投稿: めりはり | 2006年12月 6日 (水) 11時25分

初めまして、ひらめきと申します。
私の友達も、中学の頃、アトピーで入院してて、体育祭に出れなかったことがあります。でも、その時は、その子のことをよく知らなかったこともあって、なんとも思いませんでした。
その子とは、高校も一緒で、それから仲良くなって、初めて、アトピーだったことを知りました。
また、最近になって、テレビで、松居一代さんの長男のアトピー体験が、再現ドラマで流れていて、友達が「こんな辛い想いをしていたのか」と思うと、胸が張り裂けそうになりました。
もっと早く、教えて欲しかったですね。

授業お疲れ様です。
理解していただけることは、とても嬉しいですね。

投稿: ひらめき | 2006年12月 7日 (木) 14時24分

ひらめきさんへ

はじめまして、ようこそ、ようこそ。
コメント、ありがとうございます。

自分がアトピーであること、言い出しにくいものなんですよね。話してしまえば楽なのに、嫌われたらどうしよう・・・とか、ついつい余計な心配をしたりして。
アトピーの人は、調子が悪いときは姿を見せなかったりするので、周りの人はひどい状態を知らない事も多く、サボってると思われがちなんですよね。
その辺が辛いところです。

投稿: めりはり | 2006年12月 7日 (木) 15時31分

いい授業をされましたね。
一般の西洋医学的な知識しか持たない
人が授業をするのではなく、
めりはりさんのような考えをもち
克服した人が講義した
ということがとても意義深く思います。

―私達患者も「分かってくれない」とすねてばかりいてはいけないし、分かってもらう努力もしなきゃいけないし、しんどいときは「ちょっと手伝って」と言うことも大事だと思います。

ここらへん、読んでいて少し胸が痛かったです・・・。

投稿: モモタロウ | 2006年12月10日 (日) 22時44分

モモタロウさんへ

アトピーが悪化してしばらく学校や仕事を休むと言うと、「え?たかがアトピーでしょ。なのになぜ?」とか、「サボってるんじゃないの?」と思われがちなんですよねー。
アトピーでそんな大変な事態になるなんて、一般常識の範疇ではないんですよね。
だって、重症のアトピーの人って、外に出られませんから、一般人の目に触れることが少ないのです。
喘息の人も、発作がない時はいたって普通の生活をされているので、周囲の人にそのしんどさが分かってもらいにくいという点では同じでしょうかね。

だからこそ、知ってもらう努力が要るのだと思います。悪気があるわけでなく、ただ単に、知識がないからどうやって接したら良いのか分からない、だから何もしない・・・という人、多いと思います。

投稿: めりはり | 2006年12月10日 (日) 23時58分

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