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吸入ステロイド療法

先日、「喘息を予防して治そう」というテレビのCMを見た。

出演しているのはスピードスケートの清水宏保選手だ。彼が喘息を抱えつつ、頑張っていることは知っていた。ちょうどトリノ五輪の最中だったし、CMの影響は大きいのだろう。

そのCMでは「喘息の発作を出さない治療法があります、詳しくはZensoku.jpで」と

あるHPの紹介をしている。

今や喘息の治療は吸入ステロイドが主流だ。

発作が起きてから対処するのではなく、日頃から発作を予防しようという発想だ。

この考え方には賛成できるが、ステロイドを吸って予防する・・・というのは、どうにも納得がいかない。

医師達の主張はこうだ。

「喘息の人達の気管支はとても敏感で、しかも発作が起こっていない時でも、慢性的な炎症が常にある状態だ。だからちょっとした誘因で、発作につながってしまうのだ。だから、その慢性的な炎症を改善してあげると、発作の回数はグンと減る。」

ふーん、もっともらしく聞こえるけど、ステロイド剤は決して日常的に、長期にわたって使っても良い類の薬ではないと思う。なぜなら、ステロイド剤は炎症を起きなくするのではなく、炎症をとりあえず抑えるだけ。気管支の慢性的な炎症、つまり気管支の内側がザラザラしてたり、腫れているのをイメージしてもらえればいいのだけれど、そのザラザラや腫れを一時的にツルツルにしてくれるだけ。ザラザラや腫れが起こらない気管支を目指すべきなのに。。。

そして、日常的にステロイドを使っていると、自力で炎症に勝てない気管支になってしまうのではないか!?という危惧がある。ステロイドはとても依存性の高い薬剤だと思うから。

一生ステロイドを吸入し続けて、何も問題が生じないなら、それもOKだろう。

長期にわたってステロイドを吸入し、慢性的な炎症が消えたら当然吸入は中止になるだろう。その時、その人の気管支は本当に正常になったと言えるのだろうか?ステロイドが無くても、その平穏さを保てるのだろうか???

そこが一番知りたいところだ。

だけど、その結論が出るのはもう少し先だろう、なぜなら、今、喘息の患者さん達は、お医者さんの言いつけを守って、せっせと1日に2~3回ステロイドを吸入している最中だ。「最近、発作が減った」と喜んでいるのかもしれない。でも、彼等の10年先、20年先のことまで考えている医師はどれくらいいるのだろうか。

それを考えたら、安易に吸入ステロイドなど勧められないと思うのだが・・・。

私は、喘息の人達が、ステロイド剤を長年使用し続けた結果、破綻を来たしたアトピー患者の二の舞になるのではなかろうか・・・と心配でならない。

アトピーは患部が皮膚だから、ステロイドを止めた後、いくら苦しんでも命まで取られることはない。

でも、喘息は呼吸ができなくなるのだ。あとになってステロイド依存から抜け出したいと後悔しても無理な話なのだ。

先のHPの冒頭に「喘息治療のゴールを目指して」とあるが、私にはゴールに向かっているとはどうしても思えない。木曜の夜9:00からのテレビドラマではないが、「けものみち」でなければよいのだが。

この長文を、ここまで読んでくれた人、本当にどうもありがとう。

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コメント

トラックバックしてみました。

私が見た番組でも清水選手の名前が出てました。
「ステロイドを使えばスポーツだってできる。彼らは頑張っている。」
スポーツ選手が薬で症状を抑えているのは、
ある程度しかたないのかもしれないけど、
普通の暮らしにそこまでする必要あるのかな。
発作に使うならまだしも、予防に常用するのは納得いかないよね。

投稿: mayu | 2006年3月 8日 (水) 08時12分

めりはりさん

以下のコメント、自分のところのめりはりさんへの返答と思って書いたのですが、いくらやっても書き込まれないので、こちらで使わせていただきます。

ブログを読んでくださってありがとうございます。
めりはりさんの吸入ステロイドの記事、
ぜひ読んでみたいと思います。(注―というわけでやってまいりました)

ぼくのように、30数年間薬を使ってきて、
ぱっとやめるのは、ほんとうに危険だと
思います。命の面でも、生活(たとえば、お金とか)
の面でも・・・。だから、人には、もしすすめることがあるなら、
だんだんということをいいたいと思います。

結局、4年目にして、今、吸入ステロイドを使っているのです。
普通の人と違って、様子見て、使ったり、使わなかったりしているのですが。
最初は急激に、あとはほんの少しずつでも確実によくなっていましたが、普通に生活できるまで治るには、いつになるか分からない。すると、経済面などとても苦しい状況(働き盛りの40代ですから)そこで、ある意味、挫折ということなのです。

でも、あきらめたわけではなく、「仕切りなおし」で、また、別の戦術も含めて、アタックしているところです。

―と書こうとしました。

ただ、一般的なことでいえば、吸入ステロイドの使用で、確かに、ぜん息死亡者が激減したのは確かなようです。
でも、長期的な目で見て、いいかどうかは、分からない・・・といいますか、いいはずはないでのです。

投稿: モモタロウ | 2006年9月14日 (木) 21時41分

モモタロウさんへ

コメント、ありがとうございます。
同世代ですね(^^)

私の記憶では、4年前の時点で年間7,000人ぐらいの人が喘息で亡くなられていました。吸入ステロイドのおかげで、その人数が減ってきているのだから、吸ステは重要かつ必要な薬であることは確かですね。
ただ、どうやって減らしていくのか、どうやってゼロにするのか、その事を真剣に考えている医師がいるのだろうか?と心配になります。医師の多くは、一生吸入し続けても大丈夫と信じ込んでいるので、そんな研究はしないのでしょうかね。それとも私達が知らないだけで、今、誰かが取り組んでいるのかしら。
本当に一生吸入し続けても大丈夫なら何の問題もないんだけどね。そうであって欲しいけど、今の段階では誰にも分からないね。

投稿: めりはり | 2006年9月15日 (金) 20時03分

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あっ、栄作ちゃん。ひさしぶり!と、何気なく見ていたテレビ番組、希望へのメッセージ [続きを読む]

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